「人に〜する」となる文を英語やスペイン語で作る時、どの前置詞を使おうか迷いませんか?
なんとなく思い浮かぶのは英語の“to”と“for”だと思います。
感覚と今までの記憶でこれは“to”っぽい、こっちは“for”とやっていたのですが、明確な違いがあることを最近知りました。←
英語の“to”と“for”の違いは、スペイン語の“a”と“para”の違いでもあります。
英語の“to”と“for”、スペイン語の“a”と“para”はどのように違うのか、マスターするべくまとめてみます。
第4文型「人に〜する」
英語で「人に〜する」という文章を作る時、第4文型のSVOOという形で書くことができます。
この本をあなたにあげる。
OOとなっている目的語の順序を逆にする場合、間に“to”が入ります。
この本をあなたにあげる。
しかーし!
例えば動詞がbuyの場合は、SVOOのOOの順序を逆にした時に間に入るのが“for”になります。
I'll buy this book for you.
この本をあなたに買うよ。
そう言われてみればって感じで、“to”と“for”の使い分け方法など考えず、なんとなく感覚と記憶で使ってたんですが、明確な違いがあることを最近知りました。
toを使う動詞・forを使う動詞
どちらも「人に〜する」なのに、“to”を使う場合と“for”を使う場合があるのは何故なのか?
これは日本語の罠というやつですね。日本語だとどちらも「〜に」「〜のために」となるから、ごっちゃになる。
“to”を使う動詞は以下のようなものがあります。
tell
teach
lend
send
“for”を使う動詞は以下のようなものがあります。
make
cook
他にもあると思うけど、今思いつく限りでご容赦ください。
英語のtoとforの違い
何が違うのか、よく見てみると違いになんとなく気づくと思います。
私が直感的に思ったのは、“for”を使う動詞は一動作多くなるということなんだけど、その考えでだいたい合っているようです。
“to”は一直線に向かうイメージの前置詞です。
その動詞の動作そのものが相手に向かっています。そして、“to”の先にある相手がいないと文が成り立たない。
例えば「I'll give this book.」と言ったら「誰に?」となるわけで、「誰に」の部分に“to 人”が必要になります。SVOOで先に人が来る場合はいらないんだけど。
一方で“for”は漠然と対象の方向を指す前置詞です。
なので、“for 人”の部分がなくても文章が成り立ちます。
「I'll buy this book.」うんうん、自分のために本買うのかなとなるわけですよね。そうじゃなくて「あなたのために」と言いたいので“for you”をつけるということ。
ということは、“to”か“for”か迷ったら“to/for 人”の部分を消去しても文が通じるかどうかを考えればいいということだ!
文が通じなければ“to”、文が通じるなら“for”ということ。
前置詞のイメージと合わせて覚えると良さそうです。
スペイン語のaとparaの違い
同じ要領でスペイン語について考えてみたら、用法は同じでした。
この場合、英語の“to”がスペイン語では“a”、英語の“for”がスペイン語では“para”に当たります。
「この場合」と書いたのは、必ずしもto=a、for=paraと一対一で当てはめられるわけではないからです。スペイン語には“para”と用法を間違えやすい前置詞に“por”というやつもいるしね。
さて、話を戻して上記の文がスペイン語だとどうなるのか見てみます。
Te doy este libro.
I'll give this book to you.
Doy este libro a ti.
I'll buy you this book.
Te compro este libro.
I'll buy this book for you.
Compro este libro para ti.
スペイン語の方が“a”か“para”か迷うかもしれない。
英語はなんとなく中学、高校で習った感覚と記憶がありますが、スペイン語だと「〜に」系は「para」を使いたくなってしまう。
でも英語の“to”と“for”の違いを理解していれば大丈夫。スペイン語も同じやり方です。
英語ではtoやforが入らない文と入る文のどちらがよく使われるのかわからないけど、スペイン語の肌感覚では“a”や“para”を挿入しない形の方がよく使われている気がします。
Te compro este libro.
この形ですね。
“a ti”を使う語順はあまり私自身は馴染みがないです。“a ti”を使うと「あなたに」が強調されているような感じがします。“para ti”の方が聞くかもしれない。
toとforを使い分けしよう
英語の問題集を解いていると、こういう細かい文法がよく出てきます。
日本語だとどちらも「〜に」「〜のために」のニュアンスなのでこんがらがりますが、英語やスペイン語では異なる動作の種類だから異なる前置詞が使われるということですよね。
動詞って全てを司るんだなーと思った経験でした。